教訓から得た、「今の本音」を素早く取り戻す4つの手順
結局、復活までは7ヶ月以上かかりました。ここでは、教訓を踏まえ、より短期間で「今の本音」を取り戻すための4手順を紹介します。このブログでは、今後、この4手順に従って書き進めていきます。【撮影地】北海道・上声問
FAP療法と並行して、この4つをやればもっと回復が早かったはず
ホルモン異常(解離)は、FAP療法の効果で、3ヶ月ほどで収まっていました。それなのになぜ回復までさらに4ヶ月もかかったかと言えば、「強い自己嫌悪」がなかなか消えなかったからです。自己嫌悪から逃れるために糖質の取り過ぎなど「回避行動」に出てしまい、回復が遅れてしまったのです。
FAP療法と並行して、上記の4つを、この順序で行なっていたら、より早く回復できたと考えています。
手順1.血糖値と睡眠の「見える化」から始めればよかった!!
今の私が「退職した直後」に戻ったら、まずは血糖値と睡眠の質を「見える化」から始めます。
当時の私は疲れ切っていて、よく「頭が真っ白」になっていました。ホルモン異常が原因で「頭が真っ白」になっていたことはあったでしょうが、「血糖値の乱高下」や「極度の睡眠不足」が原因で「頭が真っ白」になっていたこともあったと思うからです。
そして血糖値や睡眠は「究極の機器」に近いモノが安価に発売されており、大した努力をしなくても正確なデータを取れるからです。当時の私でも、「機器を買ってデータを取り始める」程度のことならば、普通に出来たと思うのです。
今になって思えば、プロならば、対策を練る前に「情報収集」や「正確な状況把握」から始めるのが定石でしょう。実際、FAP療法も2回目のカウンセリングでストレス試験を行ない、ホルモン異常(解離)の「見える化」からスタートしています。
- まずは現在の状況を見える化する
- 記録を採り続け、変化に気付きやすい体制を作る
- 仮説を立てて改善策を実施する
- 結果を見ながら仮説が正しいかを検証する
- 次の仮説を立て結果を見て、再度検証する
このパターンを繰り返すうちに、いつしか良好な循環が生まれていくものです。
しかし当時の私は、「ホルモン異常」と聞いて、思考停止してしまいました。未知の出来事に対し、自分で仮説を立てて検証していくような、気力はもはや残っていませんでした。
しかし、気力はなくてもデータは取れます。データがあれば、対処方法が変わる可能性もあります。
私の担当の女性カウンセラーが、先日、こんなことを言っておられました。
FAP療法のカウンセラーといえど、カウンセリング時間は1回50分しかありませんから、万能ではありません。たった50分の中で、全ての原因を見つけられるわけがありません。
例え自分は「頭が真っ白」で仮説など立てられなくても、血糖値や睡眠のデータをカウンセラーに見せれば、より的確な助言をもらえた可能性は大きいと思うのです。
第一段階は、何を置いても「データを取る」ところからスタートすべきだったと思うのです。
手順2.「自宅にリラックススペース作り」をすればよかった!!
今の私ならば、「見える化」する機器を買ってデータを取り始めたら、「自宅にリラックススペース作り」をすると思います。当時のくたびれきった自分でも、「自宅にリラックススペース作り」ならさほど無理せずに出来たし、それをすることがFAP療法を実践することに自然とつながるからです。
FAP療法で、繰り返し教わったのはこの二つです。
2.物事を善悪でなく快不快で考えること
しかし当時の私は、自宅では頭がほとんど働きませんでした。FAP療法を受けている時は頭がクリアになって「感覚」や「快不快」が分かりますが、自宅の個室へ入ると、「感覚」や「快不快」がさっぱり感じられなくなってしまったのです。代わりに浮かんでくるのは、決まって自己嫌悪。
何をやっているんだろう、オレ…。
自己嫌悪モードになると、何もしていないのに一日が終わってしまいます。だから自己嫌悪モードから逃れるために、糖質の取り過ぎなどの回避行動に出てしまいました。
今思えば、糖質を取り過ぎれば「血糖値の乱高下」が起き、躁鬱が激しくなりますから、さらに自己嫌悪モードが強くなるはずです。要するに、回避行動こそが、回復を遅らせた張本人でした。
でも、喫茶店など、自宅外のリラックススペースにいる時は、自己嫌悪モードの頻度が下がりました。その隙に「自分が当面やりたいこと」を考えてみると、「不要品をヤフオクで売ってお金が欲しい」と気づきました。自宅で「感覚」や「快不快」すら考えられないくせに、不要品を売る気力が湧くというのは不思議です。
今思えば、仕事をしてもいないのに、カウンセリング代が毎週かかることを心苦しく思っていたのです。できるだけお金をかけないようにと考えすぎることが、かえって自分を動けなくしていたのです。
実際、ヤフオクで不要品を売って小金が出来ると、気の利いた小物などを買いたくなりました。そうこうしているうちに、FAP療法最大の武器「心に聞く」が、自宅のリラックススペースで出来るようになっていました。
当時の私は、「感覚」や「快不快」を、毎日何度も考えるのはとても無理だと思い込んでいました。
しかし、個室の不要品を売るというのは、かつては「快」だったけれど、今の自分にとって「不快」なモノを売るということです。そして気の利いた小物というのは、言わずもがなですが「快」です。
リラックススペースづくりをするというのは、五感をフルに使って、「感覚」や「快不快」を繰り返し考えることだったのです。
つまり、リラックススペースづくりをするということは、自宅でFAP療法を受けているようなものでした。と言うことは、最初の段階からリラックススペースづくりを始めたら、自己嫌悪になる代わりに「感覚」や「快不快」が鍛えられますから、回復が早まると考えられるのです。
このあたりの経緯はとても短い行数で書き切れないので、詳細をこちらに書きました。
手順3.「感覚」と「快不快」を早くから入力すればよかった!!
今の私ならば、血糖値や睡眠の機器が揃い、リラックススペースが出来たところで、「感覚」や「快不快」をバランスログへ入力し始めると思います。
リラックススペースを作る過程で「感覚」や「快不快」を繰り返しますから、その頃になれば、当時の私でもコンピューターに向かって、「感覚」や「快不快」を入力できたと思うのです。
やってみればすぐ分かりますが、「感覚」の方は意外に簡単です。「寝起きの感覚」や「食後30分の感覚」ですから、意識し出せばすぐに分かるようになります。問題は「快不快」の方です。
当時の私でも、「物事を『正しい悪い』ではなく『楽しいか楽しくないか』で考えることが大事」だと、頭では分かっていました。しかし、テレビなどを見ていてふと気付くと、「上から目線」でツッコミを入れているのです。
「頭悪いやつだな、コイツ」
「許せんな、この態度」
「普通やるか、こんなこと」
「正しい悪い」という判断は、長年の習慣みたいなものですから、急にはやめられません。「楽しいか楽しくないか」という判断を、繰り返し特訓することがとても重要なのです。
しかし、当時はバランスログなんてなかったから、「正しい悪い」の判断をしていると気付いたときに、自分を戒めるくらいしか出来ませんでした。そのため「正しい悪い」でものを考える習慣が「楽しい楽しくない」に変わるまでには、結構な時間がかかりました。
今は違います。毎日、バランスログに向かって「楽しいか楽しくないか」を入力します。
例えば、今朝の散歩はこうです。
「すごく楽しかった。朝焼けがキレイで、風がともかく気持ちよくて、歩いているだけで癒されるくらいの感覚だった」
今朝の朝食はこうです。
「今ひとつ楽しくなかった。ある程度自覚していたのに、やはり娘のペースに巻き込まれて、全てが中途半端のまま家を出ざるを得なかったから」
これを一日に何度も繰り返すのですから、必然的に「楽しい楽しくない」に敏感になります。そうでなければ、今朝の朝食などは「親として躾は義務だし仕方がない」などと、「今の本音」とはかけ離れたことをずっと考えていたはずです。バランスログのある時代に生まれた方々が心底うらやましいです(笑)。
「感覚」と「快不快」を意識していけば、確かに「本音」にたどり着きます。
つまり、「感覚」と「快不快」の千本ノックをすることで、自分はこのように変わりました。
- 「快」を常に意識するので、「快」に気付きやすくなった
- 「快」はほとんどの場合「本音」なので、「本音」に気付きやすくなった
- 「快」でない場合も「なぜだろう」と対策を採るので、結果的に「快」に変える能力が付いた
ああ、もっと早くやっていればよかった。バランスログを作る時も、この画面から作ればよかったよ~と、今でも強く思います。
手順4.心・体・睡眠・言動のバランスに注目すればよかった!!
今の私ならば、心、体、睡眠、言動のバランスを常にチェックすると思います。
心、体、睡眠、そして言動(仕事などの状態)は、深く関係し合っていることが分かりました。心が疲れている時は、大抵は睡眠の質も悪く、運動量も足りておらず、血糖値の乱高下も発生しがちで、そうなると必然的に言動(仕事の状態など)もダメになります。
心、体、睡眠、言動の全てを一気に底上げするのは大変ですが、何か一つを向上させれば、もう一つが向上すると言うことはよくあります。例えば、運動の量を少し上げれば、疲れて睡眠が少し深くなります。そうすれば翌日の気分がよくなる…と言う具合に、少しずつ「良循環」が生まれます。
一方で、忙しさから極度の運動不足が続けば、血糖値の乱高下が起きず、睡眠時間を確保していたとしても、睡眠の質は確実に悪化します。睡眠の質が悪化するとイライラしがちになり、ついつい甘いものを口にして血糖値の乱高下が起き、さらにイライラしやすくなり…と言う具合に、少しずつ「悪循環」に陥ります。
悪循環の渦中にいて頑張ったところで、結果が出るはずはありません。そのことに気づかず、気合いと根性でさらに長時間仕事をして睡眠時間を削り、翌日のイライラを募らせていたのが昔の自分でした。
今の私ならば、イライラして仕事に集中できないなら、気分転換に少し体を動かして、糖質の取り過ぎに注意します。そしてその日は、ストレッチを長めにして、FAP療法の「呪文」でも多く唱えて、できるだけ早く寝ます。翌朝になったら睡眠の質をチェックし、睡眠の質が悪ければ、寝不足状態の自分でも出来そうな仕事を優先的に終わらせます。そうすることで「無理」をする必要がなくなります。
そしてバランスログを使うと予防が出来ることにも気がつきました。
心、体、睡眠、言動を点数化しておき、例えば、ここ一週間の睡眠の点数が低ければ、四の五の言わず、睡眠の質を高めるように努力してしまえばいいのです。そうすれば「無理」を未然に防ぎ、良循環を維持することが出来ます。良循環を維持した結果、「脱力系の楽しさ」、そして「完璧な応対」が訪れたのだと思ってます。
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